自身がうもれるくらいの花束を携えて急に訪ねては驚かせてほしい
来るなら連絡くれればよかったのに、なんてジュリエットはその度にこぼすんだけど、
一度だって守ってくれないのも、こういう風に喜ばせようとしてくるのも全部わかってる
映画3でジュリエットが博士に対して「わたしのさみしさに気付いてほしかった」と
こぼすところ、私はけっこう、勝手やなあ…!!!!!と思っているんですけど、
でもその勝手さが、不器用に生きてきた彼女の良いところだなとも思っているんですよね
誰だってしあわせになりたいしなれる権利があるはずですが、
幼少期の彼女にとってはそれがどんなものか考えられもせず、
お母さんのあたたかな手料理も、お父さんの大きな手のひらの加減だって知らない
同じくらいの年頃の女の子はかわいいドレスを着たりおいしそうなジュースを頬張って
にこやかに両親と歩みを寄せていくのに、どうして私はあの子達のようになれないのだろうと
ぼんやり考えながらまた同じ日々を繰り返すわけですから
お金があれば、という考えも今になってみれば浅はかだったと言えますが、
目の前にこの先もう二度とないかもしれない「しあわせ」を手に入れられる術を与えられて、
しがみつかないわけがなく
結果的に博士の情報を売ってしまったという事実になってしまっても、
そう思うようにしかできなかった幼い彼女を誰が責められるんだという話で…
博士はそういう風に扱われたことを意識せずに、お前は間違ったことをしていないよ、と
自らを肯定してくれるわけですけど、ジュリエットの「あなたにまた会うのがこわかった」
という発言から、そういった自分に対して後ろめたさを自覚していることがわかるので、
逆にそれがジュリエットにとっては自らの心を抉られているような感覚になってしまう
どうして叱ってくれないの、怒ってよ、私はこんなにひどいことをしたんだよと
愛する人に叱ってほしいよねえ
ジュリエットからしてみれば計算ってなんなんだよ!!って感じだもん 意味わかんないよね
だからあの正直にジュリエットから気持ちをぶつけられるシーン、
博士に欠けている人らしさが垣間見えて余計につらくなってしまう
博士の計算上で図れなかったこの罪、めちゃくちゃ重いと思うから…
その分あそこから前に進められる気付きがたくさんあって今に至るっていうのが、
映画3のめちゃくちゃいいところなんですよね フウウ~~~
ジュリエットが自分の人生を自分で選択できたことも、博士がそういうジュリエットを
見守ることができるようになったのも、本当によかったなあって思います
しかもあのエンディングだからな この話あってのあのエンディング 心がボロカスになる
博士をとりまくすべてが幸せでありますように……